亜利馬、それから4人の先輩たち -2-

「あっ、う、……あぁ……」
 デスクに座ったまま少しだけ浮かせた腰を、ゆっくりと上下する獅琉。ブラシを握って支えながら、その痴態を満足気に見下ろしている潤歩。カメラマンが獅琉の蕩けた顔をアップで映し、徐々に下へ、更に下へ、舐めるように──獅琉の強制オナニーを映像に収めて行く。
「ぬるぬるじゃねえか」
「あ、あ……もう、やめ、……」
「まだだ。完全に勃つまで続けろ」
「ふぁ、あ……」

 俺は高鳴る胸に手をあてながらそれを見つめていた。横からスタッフさんがティッシュケースを差し出してくる。……鼻血が出た時のためだ。
 獅琉の白い肌、頬が薄らと桃色に染まっている。嫌がっていたのは初めの数分だけで、今は潤歩に見せつけるように、誘うように、艶めかしく腰を振っている。次第にその動きが速まり、ようやく潤歩の顔にも興奮の色が浮かび始めた。

「あぁっ……!」
「いいぜ、すっげえエロい。あんたのこの姿、尊敬する上司達が知ったらどう思うだろうな?」
「う、あっ、だめ、それは……」
「いつもこうやって体で契約取るんだろ。清掃のバイトにでさえこんな股開いて、俺の仕事道具に物欲しそうにチンポ擦り付けやがってよ」
 潤歩がぎらついた笑みを浮かべ、獅琉に顔を近付ける。
「んあぁ、……そうだよ、気持ち良くて堪らない……」

 ──うっわぁ。
 こんなの生で見て興奮しない方がどうかしてる。二人とも幼馴染みだからか息もぴったりで、演技が全然演技に見えない。
 これならドラマも上手く行きそうだ。むしろこの二人ならドラマきっかけで本当に俳優になれるかも……イケメンだし。

「ガチガチにさせやがって、淫乱野郎」
「……ん。お兄さんもだろ」
 その台詞を合図に、潤歩が獅琉の唇を塞いだ。半開きの唇の間で激しく絡む二人の舌、互いを見つめる蕩けた瞳。キスの時に目を開けてもぼやけて相手の顔なんか殆ど見えないけど、こうして第三者目線で見ていると「目を開けたままのキス」というのは物凄くエロい。
「硬いの、俺にちょうだい……」
 舌を絡めたまま、獅琉が潤歩のツナギのファスナーへ指をかける。ブラシを床へ投げた潤歩が獅琉をデスクへ倒し、二、三個のボタンで留められていたシャツを左右へ引き裂く。

 ツナギの下は全裸だった潤歩と、シャツしか着ていなかった獅琉。二人は同時に裸になって、書類やペン立てやノートパソコンが乗ったままのデスクの上で激しく絡み始めた。
「はっ、あぁ……! もっと……!」
 潤歩の頭を抱きしめて喘ぐ獅琉。潤歩はその首から抜いたネクタイを掴み、自分と獅琉のペニスに雑に巻き付けて扱いている。ブレイズでナンバーワンの巨根の持ち主・潤歩。モザイク無しで見る生の迫力は凄まじいなんてモンじゃない。

「あぁっ、う、……お兄さんの、挿れてくれ……」
「っは、……何だって?」
 潤歩が笑って獅琉の頭に手を置いた。俺の周りでもスタッフさん達が口元に手をあてて苦笑している。皆、今の獅琉の「NG」に気付いていた。今の台詞は「挿れて」じゃなくて正しくは「欲しい」とか「しゃぶりたい」とかそういうのだ。
 蕩けると撮影でも本気になってしまう獅琉だから、思わず口にしてしまったのだろう。
「あー……ご、ごめん……」
 自分の台詞間違いに気付いた獅琉が、半笑いになって「お兄さんの、咥えたい」と訂正する。
「ったく……」
 そこで一旦カメラが止まり、獅琉が照れたように笑って頭をかいた。