亜利馬、覚醒!? -6-

 持ち上げた俺の右脚を背後から潤歩が腕に抱え、俺の口元から頬にかけてを舌で舐めながらもう片方の手をベルトにかけた。ポールにしがみついて体を支えながら、段々と息が上がって行くのが分かる。潤歩の鋭い眼と唇のピアスが照明に合わせて光り、間近でそれを見ている俺の目をも潤ませていた。

「もう勃ってんぞ。すげえ前張ってる」
「ん、んぁ……だって……あ、……」
「だって、じゃねえだろ? 誰に口利いてんだ」
「ごめんな、さ……あぁっ!」
 強く鷲掴みにされたペニスが、潤歩の手の中でドクドクと脈打っている。ポールに頬をくっつけて高い天井を仰ぐと、背後から潤歩が俺の耳に噛みついて言った。
「お前にとっては罰も快楽だもんな?」
「あ、あ……。そ、うです……俺、……」
「直接扱いて欲しいかよ? 貧相なモンおっ勃てやがって、このエロガキ」
「ふあ、あ……お願い、します……扱いて、ください……」
 ベルトを外されたのにそれ以上のご褒美がもらえなくて、俺は開脚したまま腰をくねらせ、俺のそれを握る潤歩の手に股間を押し付けた。気持ちが高ぶっているのが潤歩にも伝わっているはずだ。囁くその声はいつもよりずっと楽しそうだった。

「そうかよ。そんじゃ、先に俺のモンをしゃぶれ」
「は、はいっ……」
 脚を戻してずるずるとポール伝いに腰を落とし、ステージの床に膝を付く。背後でファスナーを下ろした潤歩が自身のそれを露出させた瞬間、会場中に雄叫びのような歓声が沸いた。
「潤歩ーッ!」
「潤歩!」
 その声に応えるように、潤歩が自分のモノを手で扱く。ポールを持ったまま首だけを曲げて潤歩を見上げると、自信に満ちたその目が俺を見返していた。

 ──欲しい。早く欲しい。

 心臓がBGMに合わせて高鳴っている。こめかみを汗が伝い、開いた唇の隙間から涎が垂れる。舌を伸ばして潤歩に触れようとしたが、逆にリードを引かれて、屹立したそれから遠ざけられてしまった。

「欲しい、潤歩さん……お願い……」
「はっ」
 口を歪めて嗤う潤歩。リードを短く持たれて体ごと後ろに引かれ、反った喉を指先でなぞられる。
「上官への口の利き方じゃねえな」
「あ、う……ごめんなさ、……潤歩、さん……」
「あ?」
「う、──」
 俺は天井を仰いだまま訴えるように声を絞り出した。
「──潤歩様」
 潤歩の顔が心底嬉しそうに歪む。うおおぉと会場が沸き、ますますその口元にサディスティックな笑みが浮かんだ。俺の頬が緩むのは多分、そんな潤歩の顔を見ることができたという高揚感からだ。

「潤歩様、しゃぶらせて……ください。潤歩様の、ぶっとくて男らしいペニスを、……先端から根元まで、俺の口で扱かせて、ください……」
「口を開けろ、亜利馬」
「は、はい」
 手が使えないから、潤歩が自分で俺の口に挿れるしかない。始めは先端だけを唇に押し付けられ、俺は伸ばした舌で丹念にそこを舐めた。濡れ光っている潤歩のそれは舌触りも良く、先走りの味が更に俺を扇情的な気持ちにさせる。
「は、あ……あ、潤歩様……」
 そしてゆっくりと口の中に入れられ、めいっぱいに頬張った潤歩の男の証を丁寧にしゃぶる。舌で曲線を強くなぞり、先端を絞るように強く吸い、割れ目の部分をくすぐるように激しく舐め回す。そうしながら俺の股間も痛いくらいに反応していた。

「美味いか」
「ん、う……美味しいです……」
 俺の口からそれを抜き、潤歩がリードを引いて合図する。
 のろのろと起き上がって再び立つと、潤歩の手が俺のファスナーを下ろして下着をずり下げた。触って欲しくて疼いていたそれが握られ、銀色のポールに先端を押し付けられる。
「あ、んっ……あぁっ、やっ、潤歩さ、ま……!」
 予め脱げやすいようになっていたブーツを脱がされ、ズボンから片足を抜かれた。こんなに大勢の前で下半身丸出しになるなんて……恥ずかしいのに、……気が遠くなるほど気持ちいい。
「ポールでチンポ勃起させて、どうしようもねえ変態だな」
「んぁ、あん……冷たくて、気持ち、い……」
 しばらく自分でも腰を揺らしてポールでオナニーをし、次の潤歩の行動を待つ。いま俺の後ろでは潤歩がスキンを着けているのだ。

「チンポは冷たくてもよ、ケツの中は熱いんじゃねえの?」
「あ、熱い……です。挿れて……潤歩様、おちんちん俺の中に挿れて……」
「言われなくても、……」
 背後から片脚を持ち上げられ、尻の蕾に潤歩のそれがあてがわれる。
「一気にブッ刺してやるよ」
「──うあ、あぁっ!」

 根元まで一気に貫かれ、スキンにローションが塗りたくられていても衝撃に体が強張ってしまった。だけどそれも始めの数十秒だけで、すぐに馴染んだ俺のそれが潤歩専用の形になって彼を受け入れ、中で締め上げる。

「は、相変わらずキッツ……」
 つい洩れた潤歩の本音が俺の心をくすぐる。もっと突いて欲しくて尻をくねらせると、潤歩が「おい」とピンマイクを手で押さえて耳打ちしてきた。
「大丈夫か、意識はっきりしてるか?」
「あ、あんっ……だ、いじょうぶ……です、潤歩様、もっと……! もっと激しくして……!」

 前に皆からもらったエロ漫画にあった気がする──セックスの時に目がハートマークになってしまうやつ。今の俺はまさにそれで、強烈な快感に思考もぐるぐる、気持ちいいのが止まらない。
「潤歩様っ、潤歩様のチンポ、気持ちいいっ……」
「あ、亜利馬……」
 会場から飛ぶ拍手と歓声と、惜しみなく俺達の全てを照らすスポットと、立ったまま貫かれる極上の快楽と、俺の顔を間近に撮るカメラマンの興奮した笑みと……その全部が俺のテンションを底から一気に高ぶらせている。
「ふあ、あぁっ! 潤歩様、も……もう俺、イッちゃいます……!」

 予定より少し早いけれど、その調整すらもう考えられない。「くっ、……!」潤歩が荒い息を吐いて前で揺れる俺のそれを握り、前後に激しく扱き始めた。
「あぁあっ、潤歩様ぁっ……!」
「クソが、……無様にザーメン飛ばせよ、亜利馬っ……」
「うあっ、ああぁっ──」