ブレイズ&フリーズ、真夏の大激闘祭 -6-

 それから立ち位置を変えて、砂浜に膝をついた潤歩と秋常が「同時に俺のそこを愛撫する」というシーンになった。ある意味では今日の流れの中で俺が一番不安に思っていたシーンだ。
「亜利馬、倒れそうになったら一度体勢を整えろ。カメラは気にしなくていい、無理するなよ」
 二階堂さんはそう言ってくれたけど、もう二度と撮影で失敗したくないという思いから体に力が入ってしまう。

 というのも、このシーンは「俺がデカい岩に片足を乗せ、大きく股を開いた状態で二人に下半身を攻められる」という構図なのだ。ビーチサンダルだから岩に乗せた足が滑る可能性もあるし、バランスを崩してしまう可能性もあって、──何より、気持ち良すぎてへろへろになった俺が勝手に腰砕けになってしまう可能性もある。
 股下からのアングルも撮るから、出来るだけしっかりと立っていなければならない。捕まれるものがない状態で、強烈な刺激を受けながら、俺がどこまで持ちこたえられるか。全てはそれにかかっているのだ。

「既にフラフラじゃねえか、大丈夫かよお前」
「大丈夫です。これくらいっ……」
「亜利馬くん、もし倒れそうになっても俺が支えますから安心してください」
「あ、ありがとうございます……」
 無意味と思いながらもサンダルの裏の砂を払って、俺は持ち上げた右足を岩の上へ乗せた。何度か足に力を入れて強く踏みしめ、「よし」と自分に言い聞かせる。ちなみにこの時点で俺は全裸だ。
「……行けます!」
「よし。──スタート!」

 大きく脚を開いた俺の前に、潤歩と秋常が膝をつく。……そうだよ。今はバランスも取れてるけど、そこにプラスされる「刺激」がどのぐらいのものなのか全く分からないから、……だから不安なんだ。
 ──なるべく上半身を動かさないようにしないと。
「は、……」
「あぁっ!」
 二人の舌が、俺の根元から先端にかけてゆるゆると這う。潤歩と秋常の舌に挟まれたペニスが快楽に震え、その刺激が腰から背中を物凄い速度で伝って行く。一瞬背中を反らしてしまったが何とかバランスを保ち、俺は小さく息を吐いた。

「ん、……亜利馬くん」
 ゆっくりとした動きだった二人の舌が、徐々に速くなる。縦横無尽にペニスを這う電流。開いた内股がビクビクと痙攣し──あれだけ不安だったのに今はもう、気持ち良いことしか考えられない。
「はぁっ、あ……! あっ、ん……!」
 潤歩が俺の尻を鷲掴みにしたのは、恐らくバランスを支えるためだ。即ち、この後でもっと強い刺激がくるわけで──
「ひっ、……あぁっ!」
 潤歩の唇が、俺のペニスを先端からずぶずぶと呑み込んで行く。熱くて気持ち良くて、バランスとは関係なく体がふらついてしまう。舌と唾液が絡み付く感覚は何度体験しても慣れなくて、咥えられているのはそこだけなのに、なぜか体中を潤歩に愛撫されているような錯覚に陥る。

「気持ち良さそうな顔。こっちはどうですか、亜利馬くん」
「えっ、や、やぁっ──あ、秋常さんっ……!」
 俺の後ろに回った秋常が尻に顔を埋め、シャワーで「準備」した俺の後穴を丹念に舐め回してきた。前と後ろを同時に嬲られ、涙と涎が止まらない。
「亜利馬。どっちが気持ちいいよ、言ってみろ」
「は、あぁ……ど、どっちも、いいです、……!」
「嘘ですね。亜利馬くん、舌でお尻をほじると腰が動いちゃうじゃないですか」
「はっ、それを言うならチンポの先っぽしゃぶるとエロ汁垂らして悦ぶじゃねえかよ」
「何を言ってるんだか。亜利馬くんのお尻はお前の理解に及ばないほどいやらしくて感じやすいんだぞ」
「お前こそ寝言は寝て言え。亜利馬はチンポの割れ目をべろべろされんのが好きなんだよ」
「ひ、人の下半身を挟んで喧嘩しないでくださいっ……。どっちも、気持ちいい、ですから……!」

 俺のペニスを握って舐めながら、潤歩が俺を見上げた。眉間に皺が寄っている──怒ってる。
「だって、……どっちも、気持ち、い……です」
「『どっちも』じゃ駄目だね。素直に白状するまで次に進んでやんねえ。……はっきり言えよ、亜利馬」
 そう言って潤歩が再び俺のそれに唇を被せ、根元まで咥え込んだ。
「ふあぁっ、あ、んっ……う、るふ……さんっ……潤歩さんっ!」

 どっちもは駄目。はっきり言わないと……。