亜利馬、大ピンチ! -4-

「見ないで、……見ない、で……くださいっ……」
 撮影以外で、しかもまだそこまで親しくない人達に、反応しているペニスを見られるというのは、俺にとってある意味で羞恥プレイよりも恥ずかしいことだった。
 秋常がさっきのように「はああぁ」と溜息のような声を出す。
「亜利馬くんの生おちんちん、Vで見るよりずっと綺麗で……可愛いですよ」
「童貞丸出しだな」
 怜王が嘲るように呟き、俺を上目に見て笑う。
「………」
 上から下から凝視され、俺は唇を噛んで強く目を閉じた。
 ここまできたらもう、さっさと終わらせてしまった方が早いかもしれない……。

「亜利馬くん、震えがペニスにも伝わってますよ。……可愛い。むしゃぶりついて呑み込んでしまいたくなります」
「………」
 秋常の指が、俺のそれの根元を摘まんだ。
「っ……!」
「怜王、お前も俺と同じこと思ってるんじゃない?」
「は、……確かに美味そうではあるな」
 恐々開いた視界の中、床に膝をついて舌なめずりをする怜王の目の前で、秋常が俺のそれを上下に揺らす。
「ほら、亜利馬くんが誘ってるよ。可愛いちんちんをフリフリさせて、早く口に含んで、トロトロになるまでしゃぶって欲しいって」
「───」
 怜王の口が大きく開かれる。
「や、やめ……」
「怜王、召し上がれ」
 捕食される──。
「──ん、んや、あぁっ!」
 じゅぷ、と音をたてて怜王の唇が俺のそれを包み込んだ。ビリビリと強烈な刺激が下半身を這いずり、立っていられなくて背中をくの字に曲げてしまう。
「亜利馬くん。素直な反応、凄く良いですよ」
「ああぁ、やだ……! そんな、舌、やだぁっ……!」
「怜王の舌技は俺もインヘルで最強な方だと思ってます。先端からペニスが溶かされる感覚、堪らないでしょ……?」

 秋常が俺の胸元を支え、曲がっていた背中を引き起こす。
「亜利馬くん」
 そして、──
「ウチの夕兎は、これくらいじゃ眉一つ動かしませんよ? 亜利馬くんは性欲にだらしなさ過ぎです」
「んっ、う……だ、だって……こんなの……!」
「はぁ。技術も演技力もフリーズの方が上なのに、どうして俺達が脇役に徹しなきゃならないんでしょうか……」
 痺れて、震える、俺の内股。一秒も休む暇なく、刺激を与えられ続ける下半身。
「噂ですけど、亜利馬くんは本番中に気を失って、撮影を延期させたことがあるみたいですね」
「っ……」
「フリーズなら、『お仕置き』モノですよ。甘やかされたお坊ちゃまはコレだから……。まあ、可愛いですけどね」
「ひ、あぁっ──」
 秋常の指が後穴に触れ、入口を解すように蠢き始める。そんな些細な刺激なのに──目の前が霞んで、朦朧として、ペニスがじんじんして堪らない。
「や、やだっ……! もう、やだ……あぁっ!」
「イきそうですか? 亜利馬くん……」

 耳元で囁く秋常の声が、急に低くなった。
「さっさとイッちまえよ。意地張ってんじゃねえぞ、エロガキが」
「ふっ、ぅ……う」
「それとも後ろから俺のチンポ突っ込んでやろうか? その方が早くイけんだろ……」
 ──何という二重人格。
 俺は背後の秋常に妖怪じみた恐ろしささえ感じたが、それでも不思議なことに、どこか冷静になることもできた。
 これが秋常という男の本性。やっと引きずり出してやった──。
「……何を笑ってるんですか?」
「べ、つに……」
 露出した秋常のそれが、俺の入口にあてがわれる。
 俺は強く目を閉じ、口の中で歯を食いしばった。

 その時──。

「秋常。怜王。ここにいるのか? 夕兎だ、開けてくれ」