亜利馬、大ピンチ! -3-

「………!」
 怜王の腕力で、俺のシャツのボタンが弾け飛んだ。開いたシャツの間に怜王の舌と手が滑り──強引に、肌を嬲られる。
「やっ、やめてくださいっ!」
 俺はキッと秋常を睨み、吐き捨てるように叫んだ。
「こ、こんなことして……何になるんですかっ」
「何にもならなくても構わないですよ? 俺達の自己満足でもあるし」
 脚立を降りて俺の前まで来た秋常が、小首を傾げて哀れっぽく言う。
「こういうのも俺達の『味』なんです。温室育ちのブレイズちゃんには刺激が強すぎたかな?」
「……俺達に酷いことするって意味ですか。……そんなの、嫌です……」
 呟けば、秋常が天井を仰いで「はあぁぁ」と溜息なのかよく分からない声を出した。
「最高です、亜利馬くん。今ので危うく射精しそうになりましたよ」
「え……?」
 話について行けなくて、俺は目を白黒させながら目の前で震えている秋常を見つめた。
「はあぁ……だいぶゲージを削られましたが……ここからが俺のターンですよ」
「ん──んうっ!」
 瞬間、息が止まった。
「んん……、っ……」
 秋常の犬歯が唇に食い込み、そこだけ鋭い痛みが走る。下手に顔を背けたら唇を噛み千切られてしまいそうで、体を強張らせたまま動くことができない。
 キスじゃなくて攻撃。そんな表現の方が近いと思った。
 秋常からの攻撃を受けている最中も、怜王の舌が俺の首や肩をなぞっている。荒々しく皮膚が吸われ、歯が立てられ、……何だかこの二人に捕食されている気分だった。

「ちょ、っと……マジでやめてくださいってば!」
「亜利馬くんのDVD、全部見させてもらいましたよ。恥ずかしいことされると赤くなっちゃうんですよね」
 俺の背後に回った秋常が、後ろから伸ばした両手で俺の乳首を抓り上げた。
「ひゃっ、……!」
「乳首はモロ感だし、すぐ勃っちゃう」
「や、や、やめて……本当に、……やだっ!」
 耳に秋常の熱い息がかかる。抓られた乳首がじんじんする。さっき撮影で大雅と際どいポーズを取っていたせいか、俺の体は普段よりずっと敏感になっているみたいだ。
「やぁっ……!」
 ベルトをしていなかったせいで、俺の前に屈んだ怜王の手で呆気なくジーンズが下ろされてしまう。そのまま下着の上から揉まれて、俺は駄々をこねるみたいに首を振りまくった。
「もう、やっ……、何で、こんなことっ……!」
「亜利馬くんが可愛いからですよ。俺達は可愛い子を可愛がってるだけです」
「可愛いとか、嫌だぁっ……!」
「嫌がっても可愛いんだから仕方ないじゃないですか? ──ほら、可愛い乳首がこんなピンピンに反応して……」
「うあぁっ……!」
 指で何度も乳首を弾かれ、嫌でも声が出てしまう。秋常の荒い息で耳朶が濡れる。怜王の手のひらが俺のそれを下着越しに包み込み、卑猥な動きで撫で回す。
 ──こんなの、我慢できるわけない。

「お、お願い……だから、もう、やめて……くださいっ……」
「ここで止めても、一度抜かないと辛くて歩けませんよ?」
「じ、自分でっ……」
「それも見たいですけど、せっかくだから──ね。怜王」
 秋常の合図を受けた怜王が、俺の下着をずり下ろした。
「や、──!」
「………」
 咄嗟に顔を隠した俺のそこに、二人の好奇の視線が注がれる。