幸せと涙に濡れる夜 -6-

 ハルトの手が俺の頭に乗り、「もう少し頼む」と先を促してきた。思い切ってその先端を口に含み、舌を伸ばしてみる。慣れない味につい眉を顰めてしまったが、ハルトの心地良さそうな吐息が聞こえてきたのは嬉しかった。
「ん──、んぅ、……」
 裏側の硬い筋部分を舌先で刺激し、いけるところまで唇を進める。喉に当たったのに驚いてつい一度口から抜き、少し咳き込んでから再び唇を被せた。
 一連の俺の動作を上から見下ろしながら、ハルトが息を荒くさせて俺の頭を優しく撫でる。

 同じ男なのだから、どこをどうされれば良いか分かっているはずなのに。どうしてこんなにも思い通りにいかないんだ。風呂場でハルトに、それから待機室で玲遠と大河にされた時とどう違うのだろう。

 俺は仕方なく唇を離し、それを握ったままハルトを見上げた。
「なあ、やり方教えてよ。全然上手くできない」
「正解なんてねえって。何か言えるとしたら、歯を立てるなってことくらいか」
 もたもたしていたらハルトが萎えてしまう。俺は握ったハルトのそれにむくれた頬を押し付け、唇を尖らせた。
「気持ち良くしたいのに」

「仕方ねえな。チル、頭反対にして俺の上乗ってくれ」
「え、でもそんなの、……は、恥ずかしい」
「これも勉強だろ。手ほどきしてやるから、早く」
 ベッドに仰向けたハルトの顔を恐る恐る跨ぎ、相互オーラル──いわゆるシックスナインの体勢を取る。
「俺と同じようにやってみろ」
「う、うん」
 根元を軽く握られて、下から先端を咥え込まれる。同様に、俺も上からハルトのそれに唇を被せた。
 中でハルトの舌がゆっくりと蠢き、それから、……他より敏感な割れ目のところを舌の先でちろちろと擽られ、また音をたてて深く呑み込まれる──。

「同じことの繰り返しじゃなくて、緩急つける感じでさ。焦らすようにしたり思い切りしゃぶったり、……って、大丈夫か?」
「~~っ、~……! ……!」
 当然そんな刺激に耐えられる訳がなく、俺はハルトのモノを頬張ったまま、声も出せずに突き出した腰をピクピクと痙攣させた。
 ハルトが噴き出し、「取り敢えずゆっくり覚えりゃいいさ」と笑った。そして──

「まずは一通り全部、俺がお前の体に叩き込む」
「うあっ、……!」
 言うなりまた勢い良く咥えられ、今度こそ俺の口からハルトのそれが抜けてしまう。
「あっ、あ……! そん、な……! 激し、の……駄目っ……!」
 唾液の音、蠢く舌、ハルトの吐息。その全てがいやらしくて、刺激的で強烈で、我慢できないほどに気持ち良い。
「あんっ、……あぁっ、ハルトッ、……!」
 同時に伸びてきたハルトの両手が、俺の乳首を下から軽く抓った。
「しゃぶっててやるから、このまま腰振ってもいいぜ、チル」
「そ、そんなっ……やぁっ……! 両方、やっ……」
「どっちも硬くなってる」
 指先で乳首を揉み、弾くように転がしながら、ハルトが三度俺のそれを下から凌辱する。

 こんなの知らない。玲遠達でさえここまでしなかった。まだ尻を使う快楽を知らない俺の体が、性感帯を同時に攻められる快感に耐えられるはずがない。

「気持ち、いっ……! ハルト、それ……やばっ……あぁっ」
 気付けば無意識のうちに腰が揺れ、俺は何度もハルトの口内に自身のそれを擦り付けていた。これじゃあまるでセックスだ。

 恥ずかしいのに、腰が止まらない──。