初体験、結ばれない夜 -2-

 ハルトが俺のそれを頬張ったまま、中でぐねぐねと舌を動かしている。裏筋を撫でられ、先端を吸い上げられ、根元まで咥え込まれて頭を前後されて……。
 お湯が跳ねる音に混じって聞こえるいやらしい音が更に俺を煽り、眉間に皺を寄せているハルトの端整な顔に震えるほどの情欲を感じた。
「も、無理……。イきそ、……ハルト」
「いいぜ、出せよ」
「放してっ、放し、ぁっ……あぁっ!」
 俺のそれを咥えたまま、ハルトが激しく頭を揺らす。がっしりと腰を押さえられていて逃れることができず、俺は成す術なくハルトの口内に射精してしまった。

「ご、ごめんっ、口濯いで……」
 いいよ、とハルトが俺のそれを口から抜き、不敵に笑う。
「の、飲んだのか……?」
「ウチでは口に出すの禁止だけど、これは仕事じゃねえからな」
 平然と言って口元を拭うハルトに何も言えず、俺はふらふらになりながら訴えた。
「とにかく……お、俺もう、腰砕けて……」
「へばるなよ。まだ続きがあるんだからな」

 霞む視界の中、ハルトが立ち上がって俺の腕を掴む。そうしてから俺を浴槽の壁に押し付け、背後から優しく抱きしめてくれた。

 ──あったかい。

「これなら腰砕けても立ってられるだろ。俺が後ろから支えててやるから、壁に手ついて寄り掛かれ」
「う、ん……」
 意識は朦朧としているが分かっていた。今から俺は、ついにハルトと……。
「震えてるな」
「……大丈夫。俺、平気だから」
 耳元で笑って、ハルトが一旦俺から離れた。背後で何かやっている。振り返って見ようと思ったが体が動かず、俺は荒い息を吐きながらハルトの次の行動を待った。
「ちょっと待ってろ。ゴム着ける」
「あ」
 後ろから伸ばされた手が俺のそれを握り、それから、もう片方の手の指が俺の狭い後穴に触れた。
「ひっ、……」
「ローション付けたからだいぶマシだろ」
「ローションとか、ゴムとか……風呂場にまで用意してるのかよ。やっ、ぁ……あぁ」
「どこで何が起こるか分からないからな」
 一度果てて萎えたはずの俺のそれが、再びローションで愛撫される。同時に後ろからハルトの指が入ってきて、壁についた手がぶるぶると震えた。

 そうか。ハルトはこれまでにもここで、何人もの男と……。
 風呂場でも、仕事部屋でも、リビングや、恐らくは今俺が使っている部屋でも。何度も何度も、俺の知らない誰かと裸で抱き合って交じり合って、キスをして、その卑猥な液体のついた手で互いのそれを愛撫し合って──。
「んっ、う……。はぁっ、あ……あ」
 指の侵入にそれほど痛みを感じないのはハルトが慣れている証拠だ。慣れているということは、そういうことなのだ。

 嫉妬しない訳がない。こんなにも温かくて気持ち良いことを、俺の知らない男達にハルトがしていたなんて──。