陽太のお迎え日 -5-

「お、お願いします……どうかこれ以上は、焦らさないで下さい……」
「焦らしているつもりはないが」
「──あん、んっ!」
 指先が先端に触れただけで、この有様だ。ぴりぴりとした細かな電流がそこから体中を駆け巡り、ますます硬くさせてしまう。
「飛凰様、ちゃんと触って、下さ、っ……あぁっ!」
 根元を緩く握られ、屹立の先端に飛凰の唇が近付けられた。濡れた部分に熱い息がかかり、その熱が直接欲しくて無意識に腰が揺れる。

「欲しいのはこれか」
 飛凰がちらりと舌を出し、上目に俺を見つめた。
 恥ずかしさに強く目を閉じ、こくこくと頷く。普段は自分でも呆れるほど冷めた性格なのに、どうしてこういう時だけ何も言えなくなってしまうんだろう。
「は、ぁ……」
 先端からゆっくりと熱に包まれて行く。ぬるついた舌が俺の側面を撫で、更に奥の穴の中へと呑み込まれて行く……
「あぁ、あ……、ふあ……」
 開いた内股が痙攣し、俺は着物の裾を口に咥えて背中を反らせた。俺の股の間で上下する飛凰の、月明りを反射する銀色の髪──甘い快楽に視界が潤む。

「んっ、は、……飛凰様っ……」
「我慢しなくていいぞ、陽太」
「んん、っあ──!」
 一層強い刺激が全身を駆け抜けた瞬間、俺はまたしても飛凰の口の中で果ててしまった。
 呼吸が収まらないうちに唇を塞がれ、強く抱きしめられてベッドに沈む。

「俺がこのままお前を抱いたら、お前は一生俺の物になる。本当にいいのか」
「……今更過ぎますよ、飛凰様。嫌ならとっくに逃げています」
 でも、と精一杯のしおらしさで、飛凰の耳に小さく囁く。
「優しくして下さいね」
「………」
 睫毛を伏せて、口元だけで笑う飛凰。出会って七日だけど、俺は飛凰のこの笑い方が好きだった。

「んっ、──」
 そこにあてがわれた飛凰の先端が、体液の滑りを利用して少しずつ俺の中を押し開いて行く。痛みよりも壮絶な圧迫感に呼吸が止まり、俺は思わず飛凰の肩に指先を食い込ませた。
「済まない。痛かったな、陽太」
「平気です……から、……戻るより、一思いに……」
「陽太っ……」
 体を倒し、俺の上に覆い被さってきた飛凰。銀色の髪に指を絡ませ飛凰の頭を胸に抱き、そうすることで無様な顔を見られずに済んだと少し安心する。

 ──頼むから早く済ませて。
 ついそんなことを思ってしまうほど今の俺には余裕がなかった。そのせいで内股に力が入り、飛凰のモノを自ら受け入れ辛くしているなんて気付かなかった。
 男同士のセックスなんて何が良いのか全然分からない。子供を作れる訳でもないのだから、別にお互い抜いて終わりでいいじゃないか。わざわざ尻を使ってまで挿入することに、何の意味があると──

「ああぁっ……!」
「っ、……陽太」
 息を荒くさせているのは飛凰も同じだった。見開いた俺の目には涙の膜が張っている。俺の中に飛凰のそれがあるのが分かる──信じられないような、不思議な感じだった。
「あ……、あっ!」
 そんな不思議な感覚が次の瞬間、火傷しそうなほどの熱に変わった。