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 ここまできたら自棄だ──。

「零、上乗って」

 仰向けに寝た状態で、俺の上に跨った零の腰を支える。気乗りがしないセックスの時はいつも騎乗位で乗っかってもらうのが俺の定番のやり方だった。もちろん常連客の時にそんな手抜きはしないが。

 零が俺のそれを握り、自分の入り口にあてがいながら腰を下ろしてゆく。

「……大丈夫か?」

「っつ……響希くん、超大きい……ちょ、痛……」

 尻を使うのは慣れているはずなのに、零の中は意外と狭かった。これも人気の理由の一つだろうか。

「俺が握ってるから、自分のペースで挿れてみろ」

「ふあ、あ……ん」

 俺の胸に両手をつき、苦痛に眉根を寄せた零がゆっくりと俺を包み込んでゆく。

「あっ、あ……!」

 一度奥まで入ってしまえば後はもう快感しか残されていない。自分から腰を振る零は本当にいい表情をしていた。俺の上でのけ反り、目尻に涙を溜めながら、まるで鳥が鳴くような声で喘いでいる。

「あぁっ、響希くん……!」

「零、気持ち良さそうだな。響希はどうだ?」

「すげぇ、いい……」

 煙草を揉み消した翔宇が、自分に装着させるゴムの封を開けながら俺達を見ている。確かに零の体は極上の快感をもたらしてくれているのだが、俺にとっては、翔宇にセックスを見られていることの方がそれの倍以上に刺激的だった。

「あっ、あ……。気持ちいっ響希くん……」

「ああ、やべえ。待ってらんねえよ」

 翔宇がせっかく取りだしたゴムを棚の上に置き、我慢ならない様子で立ち上がった。

「零、俺の口でして」

「ん……」

 仰向けで寝ている俺の上を跨いで立った翔宇が、零の口に自身のそれを擦りつける。正直、下からのこの眺めは……やばい。

「んっ、ん……」

 翔宇のモノを口に含みながら更に自分で腰を振るとなると大変だろう。俺はマグロ状態だった腰を浮かせて、下から零を突き上げてやった。

「ふ、あっ……すご……あ、あぁんっ」

 だがそれは逆効果だったらしく、零は口でするのもままならなくなってしまったようだ。

「ちゃんとフェラしてよ、零」

「だ、だって……響希くんが、は、激し……からっ!」

 仕方ない。本当に、仕方ない。

「翔宇」

「ん」

 振り向いた翔宇を、軽い手招きの仕草で誘った。

「えっ、響希がしてくれんの?」

 答える代わりに口を開けてわざとらしく舌を動かすと、満面の笑みを浮かべた翔宇が俺の顔を跨いで膝立ちの姿勢になった。

「響希のテク盗もうっと」

 その体勢で更に翔宇が腰を落としてくる。俺は枕の上に頭を乗せてから乾いた唇を舌で舐め、翔宇のそれを勢いよく頬張った。

「うぁっ、すげ……」

「ん……」

 初めて口に含んだ翔宇のそれは、想像していたよりもずっとでかかった。上から容赦なく腰を振られ、苦しくて息ができなくなる。

「……クソ。翔宇、じっとしてろ」

「さっき零にしたバキュームのやつ、俺にもやってよ」

「やってやるから動くな」

 俺は翔宇に舌を巻き付かせながら、伸ばした手で零のそれを扱いてやった。

「あっ、あ……!」

「響希、さすが。……すげえ気持ちいい」

 ていうか、一番乗り気じゃなかった俺が一番働いてるのはどうしてだろうか。自分でもよく分からないまま、俺は翔宇のそれを思いきり吸い上げる。

「うおぉ、なんだこれっ……! やべえ……」

「ふあぁっ、響希くん……!」

「響希っ……」

「響希くんっ」

 翔宇と零の声が一緒くたになって、もう訳が分からない。

 そうこうしてるうちに零の腰の動きが速くなり、俺も限界が近くなってきた。

「おい、先にイッた奴が夕飯奢りだぞ」

「よっしゃ。ぜってぇ、負けねえっ……」

 呻くように応えた翔宇に不敵に笑ってみせ、再び目の前のそれを口に含む。

 俺は仕事帰り。零はついさっき一度出してる。だとすると、一番限界が近いのは翔宇、お前だ。

「あぁっ、俺ヤバいかも……またっ……」

 零、堪えろ。

 俺は手の動きを緩め、代わりに頭を激しく前後させた。

「あ……危なかった、響希くんありがと……」

「き、汚ねえぞ響希っ……あ、うあっイく……」

「んっ……」

 結局、俺の思惑通り翔宇が一番最初に果てた。