閉じた瞼の内側に浮かび上がるのは、いつもあの夜のワンシーンだ。

 人々の歓声。屋台から漂ってくる美味そうな匂い。

 まるで雷のような、火薬の弾ける音。

 真っ黒の夜空に次々と咲き乱れては消える大輪の花。

 目を輝かせて空を見上げている翔宇しょう
 わざと花火の音にかぶせた俺の声。

 あの夜に戻りたい。

 余計な感情に煩わされることなく、ただひたすら翔宇の隣に立っていた、七年前のあの夏の夜に。