獅琉、スイッチオン -5-

「残念。違うよ」
 真横でナニかが始まるのかと思って咄嗟に逃げようとした俺の腕を、獅琉が掴んでとどまらせた。
「ほ、本番じゃないんですか……?」
「違うけど、ある意味本番よりエロいやつ」
「パフォーマンスみてえなモンだな」
 そう言って、潤歩が屹立した獅琉の上面を手のひらで少し自分の方へと寄せた。寝ているためか腹に付くくらい反り返っていた獅琉のモノが垂直になり、その裏側に潤歩が自分のモノを擦り付ける。
「んっ、あ……これマジで好き。潤歩、先端の裏のとこ、もっと」
「あいよ、リーダー」

 潤歩がその通りにすると、大袈裟なほど背中を逸らせて獅琉が喘いだ。
「──あっ、ああ! 気持ちい、……硬いのと、柔らかいのが、すっげ、擦れて……あぁっ!」
 屹立した潤歩のモノと、それから二つの膨らみが、獅琉の敏感な部分を何度も何度も擦り上げる。動きとしては潤歩が腰を前後させながら、同時に獅琉のそれを自身に押し付けているような感じだ。快楽に喘ぐ獅琉はもちろん、潤歩の余裕のない顔も何だか新鮮でやらしかった。

「く、……は、獅琉、……腰浮かすなって。やりにくいっての……」
「潤歩、二輪挿しして」
 下になって「されている」側の獅琉の方がまだ余裕があるらしく、この状況で明らかな主導権を握っている。潤歩は言われるままだ。
 ──二輪挿しって何だろう。
 俺は真っ赤になった顔を隠すように両手で覆いながら、二人の次の行動を息を呑んで見つめていた。尋常でない量の汗が額から噴き出ている。鼻の奥がツンとなったけれど、それよりも股間が痛くて──

「ん、あっ、……キツいけど、気持ちいっ……」
 潤歩が自分と獅琉のそれを合わせて包み込むように握り、更に強く締めるように力を込めているのが分かる。そうしながら腰を動かしてるのだけれど、潤歩の方が辛そうだ。
「うっげ……マジでお前、これ好きな。キツいほどいいとかMなんじゃねえの……」
「ん。……好き。もっと締めてよ潤歩、足りない」
「クッ、ソ野郎……!」
 がああ、と獣みたいに吠えた潤歩が、やけくそに腰を動かした。
 卑猥な音をたてながら手の中で擦れ合う二人のそれは、まるで熟れたクダモノみたいだ。
気持ちいいんだろうな、と想像する。

「おい亜利馬」
 夢中で見ていたら潤歩に呼ばれ、ハッとして顔をあげた。
「お前、握るの代われ」
「えっ? そ、そんな……」
 できません。──言うより早く、潤歩に腕を掴まれてしまった。
「しっかり締めとけ。俺らがイくまで弛めんなよ」
「で、でもでも、そんなの、やったことないし……!」
「ごちゃごちゃ言ってねえで、握るくらい童貞でもできんだろ。早くしねえと口に突っ込むぞ」
「は、はいっ!」
 結局言われるまま俺は、二人のマスターベーションの手伝いを請け負う羽目になった。
「っ……」
 握ったそれは熱い。火傷してしまいそうなほどだ。力加減が分からずにまごついていると、獅琉が「想像してる二倍は強くしていいよ」と助言してくれた。

「い、いきますよ。ちょっと強めに握りますよ?」
「ん。いいよ、早く……」
 獅琉のとろけた声に背中を押される形で、俺は二人のそれをぎゅっと握りしめた。
「は、あぁっ……」
「圧迫したまま扱け、亜利馬」
「はいっ……」
 両手の指を組ませて、手首から上を上下させる。にち、にちっ、と聞くに堪えない音がしたけれど、男のモノに触りかつ扱くという行為自体には、不思議と嫌悪感はなかった。
「あぁっ、……亜利馬、すっごい、気持ちいいよっ……」
 獅琉が声を張り上げ、仰向けの開脚状態で腰を動かしている。
「……はあ、ガキの癖に上手いじゃねえかよ」
 潤歩が俺の肩に腕を回し、やはり腰を動かしながら低い声で笑う。
「………」
 気付けば上唇が濡れている感触があった。……どうせ鼻血だ。