バトル オブ ライブ 王者奪還戦 -5-

 望まないセックスを強要されたり、金のためと割り切って仕事でセックスをしてきたからこそ、本当に好きな相手とのセックスに喜びを見い出せていると信じたい。男同士で生命の創造はできないけれど、だからこそ自分と相手だけの世界に没頭できるのだと思いたい。
 俺と雀夜の二人きり。始めから周囲の意見を気にする必要なんてなかったんだ。


「桃陽」
「──ん」
 言葉にしなくても、雀夜の要求はちゃんと俺に伝わる。自分でシャツを脱いだ雀夜がベッドに仰向けになれば、ここからは俺の愛情の見せ所だ。テクニックじゃなくて愛情──今までの俺とは違う。
「ニヤついてんじゃねえぞ」
 雀夜のベルトを外しながら、つい頬が緩んでいたらしい。呆れ嗤いみたいな口調で言われてしまい思わず顔が赤くなった。
「だって嬉しいんだもん。俺、雀夜のなら一日中咥えてられるし」
「アホ」
 どうにも語彙力がないせいで、俺の愛情は言葉では上手く伝わらない。大人しく脱がせた下着から飛び出した雀夜のそれを口に含み、ゆっくりと愛撫を始める。愛しくて堪らない雀夜の男の証──少しの誇張もなく、本当に一日中だって愛撫していられると思う。


 吐息を漏らす雀夜は色っぽかった。俺の拙い舌使いで感じてくれていると思うと嬉しくて仕方なくて、涙すら零れそうになる。
「ん、ん……雀夜、好き……」
「俺に言ってんのか、それとも俺のソレに言ってんのか?」
「どっちもだよ、もちろん」
 顔を上げて笑うと、雀夜が呆れたように溜息をついた。
「ん。……大きくなった? もう挿れる?」
 反り返ったそれに何度もキスをしてねだる俺の頭に、雀夜の手が乗せられる。
「がっついてんじゃねえ、まだお前の咥えてねえだろうが」
「し、してくれるの……わっ」
 それだけで頭の中が薔薇色になる。何も言わず俺の体をひっくり返した雀夜が、開かせた脚の間に顔を埋めて俺のそれを含んだ。
「ふ、う……、あぁっ、あ……雀夜、ぁ……」
 俺には雀夜みたく声を出さずに色っぽく感じるなんてできなくて、与えられた快楽には意識しなくても全力の声が出てしまう。自分がどうしようもない淫乱だと思うのはこういう時だ。散々体に仕込まれて染み付いてしまった垢を未だに洗い流せていないと思うと、恥ずかしかった。


「う、あっ、あぁ……ん……」
 雀夜の唇と舌が俺のそれを擦るたび、気が遠くなるほどの甘い電流が体中を走る。涙がぼろぼろと零れてしまう。身をくねらせても逃れられない快楽は、気持ち良いのと同時に苦しくもあった。
「雀夜、だめ……出ちゃう、から……!」
「……出せよ。動画じゃねえ、我慢するな」
「ひっ、ぁ──!」
 低い声でそんなこと言われたら、もう何も考えられなくなる……。
 俺は潤んだ目を閉じて歯を食いしばり、深く咥え込んだ雀夜の喉の奥へと射精した。全身が一瞬だけ燃え上がって、少しずつ冷めて行く──この感覚、大好きだ。


「桃陽」
「は、はい……」
 雀夜に目で促された俺は、意識を朦朧とさせながらも更に脚を開いて尻を浮かせた。入口部分に雀夜が体液を塗っている。これから一つになれると思えば、射精後の気だるさなんてすぐに吹き飛んだ。
「んっ、……」
 あてがわれた雀夜の先端が俺を貫き、奥へとゆっくり侵入して行く。フェラチオとはまた違う快感と幸福感に、俺は雀夜にしがみつきながら唇の端を緩めた。
「──あっ」
「桃陽、脚でしがみつくな。腰振れねえだろ」
「あ、う……だって、くっついてたい……あっ……」
「意味ねえだろ」
「雀夜、ずっと一緒にいて……欲し、……」
 零れる涙は嬉しさのためか、感極まってしまったためか──恐らくその両方だ。雀夜もそれを分かってくれたのか、珍しく俺の額にキスをして優しく囁いてくれた。
「いるだろ、ずっと」