それから -5-

「初めは従順だからと思ってお前を選んだが」
「い、今でも従順だろ」
「そうだな。……だけどそれだけじゃねえ。お前が自分を犠牲にして俺とネオンを守りたいと言った時、俺はお前を選んで良かったと思ったよ」
「だってそれは、……あんなことで偉音達のやりたいことが邪魔されるなんて、悔しかったから……」
 話しながらも偉音の腰はゆっくりと動いている。そうされると激しくされて余裕が持てない時とは違って甘い感情が溢れ、普段言えないことも言葉となってしまう。


「俺が望んでるのは、これからも偉音とネオンさんがパフォーマンスの仕事をすることだよ。あの日俺がクラブで魅了されたように、……二人に憧れる人、これからもいっぱい出てくると思う」
「………」
「偉音にはずっと、そのままでいて欲しい。俺が好きになった男のままでいて欲しいよ」
 素直な気持ちを口にすると、目の前で偉音の顔が少し赤くなった。
 同時に、緩い動きで中を出入りしていた偉音のそれが、ほんの少し質量を増す。
「……偉音、今」
「うるせえ、お前が急に煽り散らすからだ」
 赤面のまま舌打ちして、偉音がより大きく俺の脚を開かせた。……今更だけど、偉音って性格の割には恥ずかしがりなんだな。
「覚悟しろ、宇咲」
「う、……ん、……」

 一度引き抜かれたそれが、再び奥まで突き立てられる。また抜かれ、また挿入される。繰り返すたび徐々にそのスピードが早まり、俺は息を弾ませながら偉音の肩に手を置いた。
「はぁっ、あ……あっ、偉音、っ……ん……!」
 俺を見下ろす切れ長の瞳。浮かぶ額の汗。吐息の漏れる薄い口元。
 こんな時でも偉音は美しく、男としての
魅力に満ちていた。
「気持ち、いっ……。偉音、もっとして、奥までっ……」
「ふ、……」
 小さく息を吐いて、偉音が体重を支える腕に力を込める。薄く浮き出た血管が色っぽい。
「んあっ、あぁっ……! す、げっ……」
「宇咲っ……」
「偉音、好き──好きだよ、……好き」
 しつこいくらい言いながら、俺は覆いかぶさってくる偉音の背中をかき抱いた。
 触れ合う熱が泣けるほど愛おしい。偉音が俺に打ち付けるたび押し出されるように声が迸り、上からはまるで宝石のように光る汗の粒が降ってくる。
「宇咲」
 こんなに幸せで嬉しいこと、他にあんまりない。

「──好きだぜ、宇咲」
「うあ、ぁ……」
 気持ちが通じ合うセックスって、きっとこういうことなんだ。