それから -4-

 その瞬間はとても見ていられなくて、俺は上体を半分起こしたままきつく目を閉じ顔を背けた。
 だから、偉音がどんな表情をしているか分からなかったけれど。
「し、信じらんね、……あ、……まじで、……やだ、あぁ……」
 伝わる感触で、偉音の口が俺のそれを包み込んでいるということだけは分かる。本当に信じられなかった。まさか偉音が俺の、……
「っ、……はぁ」
 出し切ったところで偉音が顔を上げ、俺は恥ずかしさに赤くなった顔を隠しながら足をばたつかせた。
「も、もうマジでほんとに! 何やってんだよ、偉音っ!」
 口元を手で拭い、偉音が上目に俺を見る。
「偉音はそんなことしなくていいんだってば……!」
「じゃあお前がするか?」
「うっ……」
 思わず固まってしまう俺を見て、偉音が可笑しそうに笑った。
「まあそれはそのうち、な」
「そ、そのうちなんか来ない!」
 息巻く俺を気にもせず身を起こした偉音が、俺の膝裏に手をかけた。そのまま大きく広げられてバランスを崩し、背中からベッドに倒れてしまう。
「わっ!」
「ちゃんとイかせる。寝てろ」
「ん、……うん」

 充分に俺の中を解してから開いた両脚の間に偉音が腰を入れ、扱いて勃たせたそれをあてがわれる。
 久し振りの緊張感から鼓動が痛いほど脈打つけれど、それよりもずっと嬉しくて待ち切れなくて。
 俺は弛んでしまう顔を引き締めるため、軽く唇を噛んだ。
「いっ、……」
「力抜け」
「ご、ごめ……久々だから」
「………」
 先端をあてがっているだけで偉音はかなり興奮しているらしい。その顔は真剣そのもので、半分開いた口元からは荒い息が漏れている。
 先走りの体液を塗り付けながら、更に偉音が腰を進めた。


「は、あ……。偉音、ゆっくり、……」
「痛てえのか」
「そ、それもある、けど……」
 伸ばした手で、俺を見下ろす偉音の頬に触れる。
「……もっと長く、感じてたいから」
「宇咲」
 身を倒してきた偉音が俺の口元にキスをした。
「わっ、ちょっと……偉音お前、さっき俺の小便……!」
「オープン」
「っ……」
 どうしようかと思ったが……もういい。何でもいい。
 そのキスに、偉音の命令に勝るものなど何もないのだから。


「ん──」
 俺達は唇と舌とで繋がり合い、同時に、大事な部分でも深く繋がり合った。
「んぅっ、う……ん、あっ……」
 芯を持った偉音の雄の証が、俺の中を強く突き上げる。これ以上は無理だというところまで深く挿入され、それからゆっくりと抜かれる。
「はぁ、あ……、……ん、ぁ」
 スローな動きでのセックスは、まだるっこしいというよりは心地好くて恥ずかしく、それから、幸せだった。