トラップ -4-

 その言葉にハッとして、俺は偉音に視線を向けた。
「ふ、ぅ……いいぞ偉音。……済んだらここにいる皆さんにも同じことをしてやれ。一人ずつ、丁寧にな」
 偉音が頭を前後させ、飯島のそれを吸い上げる。何度も何度も、繰り返し口の中で男のモノを「愛撫」する。
「っく、そのままだ偉音、ちゃんと飲めよ──」
 飯島の言葉に、偉音が頭の動きを止めた。
 そして──

「………」
「っ、……! ああっ、うああぁっ──!」
 始め、飯島の絶叫は射精によるものだと思っていた。
 だけど次の瞬間、飯島が床に倒れ込み、股間を押さえているのを見て……流石の俺も、血の気が引いた。
「っ……」
 立ち上がった偉音が、口の中の「それ」を忌々しげに床へ吐き捨てる。
「大の大人が大袈裟に騒いでんじゃねえぞ。いい歳して放置してた余分なモンを切ってやったんだ、感謝しな」
「ぐうぅぅ、偉音、貴様っ……!」
 ヒイヒイと息をする飯島を見下ろしながら、偉音の口元には残酷な笑みが浮かんでいた。
「やってやるよ。ここにいる全員に、同じことをよォ」
 この部屋にいる誰一人、のたうち回る飯島を助けようとはしない。無理もなかった。偉音の形相としでかした行為のおぞましさに、近付くことが出来ないのだ。
「何だ、てめえらもそれを望んでここにいるんだろうが。来ねえなら適当に俺から行くぞ」
 男達がざわめき、狼狽している。ソファに座っていた男は膝の上に乗せていた青年をそそくさと下ろし、青年に咥えさせていた男はすっかり萎え切ったそれを素早く下着の中へとしまい込んだ。

「てめえら全員、躾けてやるよ」
「い、偉音。偉音、落ち着いて」
 俺を押さえたまま……というよりは抱きしめる恰好で、ネオンが言った。その顔は珍しく引きつっている。
.「ウ、ウサちゃん、いい? せーので偉音を取り押さえるよ」
「だ、大丈夫ですか? 俺達で押さえ切れるか……」
「とにかく引きずってでも部屋から出して、後はアンナさんやキヨマサさんにも協力してもらおう」
 それがいい。
 俺とネオンはなるべく偉音の背後に回り、いつでも飛びかかれる体勢を取りながら顔を見合わせ、頷いた。
「オラ、ビビってんじゃねえぞ。咥えられんのが嫌なら頭から小便ぶっかけてやるよ、てめえらさっさと──」

「せーのっ!」