偉音という男 -6-

「おい、宇咲」
「え? あっ……!」
 萎えて下を向いた俺のそれを摘まんだ偉音が、親指の腹で裏側をぐりぐりと刺激する。

「い、ぁっ……だ、駄目……です」
「トップダンサーがお前の貧相なモン弄ってやってんだぞ。よそ見してんじゃねえよ」
「やっ、め……。そこ、や……!」

 久し振りの感覚に腰が浮き、体中をむず痒い電流が駆け巡る。服を着ているのにそこだけ露出していて、それが逆に恥ずかしい。言葉では言い表せないほどのエロい感情が沸き上がり、俺は身をくねらせて小さく喘いだ。

「勃起しても剥けねえのかよ」
「い、言うなっ、ぁ……」
 恥ずかしくて死にそうだ。
そんな俺を見て口元を歪め笑った偉音が、赤い舌をちらりと覗かせながら「I’ll Licking you」と囁いた。

「ふ、あっ──!」
 根元から思い切り舐め上げられ、瞬間、腰から背中にかけて強烈な刺激が走った。偉音の濡れた舌が俺のそれに何度も這わされ、先端を啄まれ、吸われて、ついでに根元より下の膨らみを絶妙な強さで揉みしだかれる。

「やっ、やだ、あぁっ……!」
 偉音の唾液で濡れ光る俺のそれが次に強く吸い上げられた瞬間、ビクビクと脈打って限界を迎えた。
「イッ、ちゃ……!」
「っ……」

 我慢なんてできる訳がないし、止める術だって分からない。とにかく偉音の整った顔に勢いよくぶちまけてしまった俺は、肩で息をしながら茫然と天井を仰いだ。

「お前、よく俺にこんな真似できたな」
「あ……ごめんなさい、……だって、仕方ない……」

 不機嫌そうにテーブル上のおしぼりを取り、偉音が自分の顔を拭く。
無理矢理された分ざまあみろと思ったが──俺のささやかな復讐の先には、偉音の更なる報復が待っていた。

「起きろ、宇咲」
「は……」
 偉音が自分のベルトを外し、俺の後頭部を引き寄せて股間に押し付ける。

「咥えろ。やったことあんだろ」
「はぁっ? な、なんで俺が……」

 言いかけ、ごくりと唾を飲む。
 偉音の股間はジーンズ越しでも分かるくらいに猛っていた。硬い感触が頬に当たっている。胸が高鳴り、息が荒くなり、──ちょっとだけ、見てみたいという気分になってくる。

 俺は無言でジーンズをずらし、黒のパンツに人差し指を引っかけた。そのまま引っ張り、上からそっと覗くようにして身を乗り出す。物凄く変態チックだが、今の俺はそんなことを考える余裕すらなかった。

「………」
「見入ってんじゃねえよ、スケベ」
「だ、だって……すごい」
「分かったからさっさと咥えろ」
 ずるりとパンツを下ろし、俺は屹立した偉音のそれを握った。

 この際、楽しんじまえ。頭の中で淫魔が囁く。いい男のモノをしゃぶれる機会なんて滅多にないじゃないか。普段味気ない生活を送ってる分、今日だけ割り切って発散したって罰は当たらない。

 自分の中で納得し、俺は握ったそれの先端に唇を被せた。