第15話 ようこそ、PdMCへ! -5-

「ご主人同士の親睦も深まりました?」
「そうだね、色んな人と喋ったよ。那由太のファンだっていう人から声もかけられたし」
「えぇっ?」
 驚く俺の正面で、皿に取ったラザニアを食べながら刹が笑った。
「お前の素直なエロさに感心したってよ。主人とペットの両方でお前のファンだって」
「こ、困るなぁ……そんな部分に感心されても」

 でもさ、と炎珠さんが大きく息をつく。
「ペットとのこういう関係に憧れて、ずっと入りたかったPdMCの懇親会に来てるなんて……何か未だに不思議な気分。那由太をお迎えしてから俺達の生活も変わったよね。前よりずっと明るくなった」
「まあな」
「来てくれてありがとうね、那由太」
「………」

 ペットがご主人と出会って迎えられて、それまでの生活とはまるで違う世界に飛び込む──考えればそんな図が常に頭に浮かんでいた。

 だけど、その逆もあるんだ。

 ペットと出会って変わった人生。それまでの塞いだ生活に光が差した人もいれば、誰かを愛したり守りたいという気持ちを知った人もいるはずだ。
 家族を得ることができた人。責任感というものを覚えた人。
 そして彼らもまた、PdMCの同志達を通じて新しい友情や絆を作り上げて行く。

 俺達はペットだけどただ愛されるだけの存在じゃないし、ましてや性的な目的だけで飼われる存在では決してない。

 俺達は、それぞれのご主人のパートナーだ。

「炎珠さん、刹」
「どうしたの?」
「俺、二人が大好きです。……これからもずっと、……ずっと俺と一緒にいて下さい!」
「那由太……」
 目を丸くした二人の顔が可笑しくて、俺はパスタのフォークを握ったままつい笑ってしまった。
「も、もちろんだよ! 俺達三人ずっと一緒だよ! ね、刹?」
「……今の、動画に撮っておきたかったな……」
「むしろ那由太の言葉で真っ赤になってる刹を動画に撮ってあげようか?」
「わ、刹も照れることってあるんだ……」
「……うるせえなお前ら、黙って食ってろ」
 むっとした顔で口いっぱいにラザニアを頬張る刹。
 俺と炎珠さんは顔を見合わせ、同時に含み笑いをした。