第10話 ご主人の声には反応します、ネコです -7-

 いついかなる時も、ご主人を癒すことがペットの喜び。

「ふわあぁ、疲れた体に心地好い……」
「ん、……ん、炎珠さん、寝落ちしませんか?」
「今寝たらすっごい良い夢見れそう」
 ソファに座った炎珠さんの足元に膝で立ち、疲れた彼のそれを口いっぱいに頬張る。刹が大人しいと思ったら既に隣のソファでいびきをかいていた。
「刹は昨日電話で楽しんだんだから、寝かせておけばいいんだよ」
 と言う炎珠さんに従って、取り敢えずは起きているご主人からご奉仕している訳だけれど。

「那由太のほっぺた膨らんでるの、可愛い……あっ、凄い奥まで……」
 炎珠さんの声が大きくて、いつ刹が起きるんじゃないかとヒヤヒヤものだ。
 だけど心地好さそうな顔で俺の頭を撫でている炎珠さんを見上げていると、俺も嬉しくなってくる。幸嶋さんと華深を見ていて感じた「絆」が、確かに俺達の間にも芽生えていると実感できる。
 だって今の俺は現に、炎珠さんを癒すことしか考えられない──。

「那由太、上乗る?」
「は、はい……」
 ソファの上に膝をつき、炎珠さんの上に跨る。既に下着を脱いでいた自身の入口へ上を向いた先端をあてがい、ゆっくりと腰を落としてゆく……。

「ん、あ……炎珠さん……」
「那由太、留守番ありがとうね」
「……はい」
 もう「二十歳の男に対してそんなことを」なんて言わない。ご主人の愛にペットの年齢なんて多分、関係ないんだ。
「少しだけ離れて、俺も二人の大事さを実感したんです。俺、炎珠さんと刹のこと大好きなんだなって、……早く帰って来て欲しいって、思ってましたから……」
「那由太……」
「ちゃんと俺の所に帰ってきてくれてありがとうございます、ご主人」
「那由太あっ……!」
「う、わっ……?」
 体で繋がったまま向かい合った状態で思い切り抱きしめられ、俺の中で炎珠さんの質量が急激に上昇した。

「那由太、大好きだよ。刹と二人でずっと大事にするよ、那由太っ……」
「え、炎珠さんっ……俺も、ずっとついて行きます、炎珠さんっ……」
 激しく下から揺さぶられ、俺も力の限り腕と秘部とで炎珠さんを抱きしめる。
 貪り合うように唇を合わせて舌を絡め、熱い汗と共に快感の吐息が流れて行く。
「ん、あぁっ……あ、炎珠さんっ……」
「那由太、……」

「気持ち良い」と「大好き」の想いを分け合い与え合い、俺達は少しだけ微笑み合って──繋がったまま、再び優しいキスをした。