第7話 にゃんタス記念日 -2-

 もこもこの真っ白な泡と、よく見れば綺麗なブルーに染まったお湯。
「やった! 泡風呂完成!」
 炎珠さんが浴槽縁まで溢れた泡を見て歓声を上げ、いそいそと服を脱いでいる。刹は興味無さげだが躊躇なくジーンズを脱いでいるし、カチコチに固まっているのは俺だけだ。
「にゃん太、緊張してんのか?」
「大丈夫だよ。ほら脱いで脱いで」
「わっ、ちょっと……自分で脱げますからっ!」
 刹に両腕を掴まれ、炎珠さんにベルトを外され下着ごとパンツを下ろされ、あっという間に全裸になってしまう。今更だけど恥ずかしくて、俺は咄嗟に両手で前を隠した。

「ああぁ、何これ気持ち良いねぇ……ミントの香り最高だし、お湯から出ると体がスースーする。こういう入浴剤なら、刹も好きなんじゃない?」
「悪かねえな。昼間入っても良さそうだ」
 ミントの泡風呂にご満悦な二人の間で、俺は膝を抱え沈黙していた。
 変にドキドキしているのは俺だけだ。炎珠さんの申し出を承諾しなおかつ自分からもそうしたいと言ったからには、覚悟はできているはずなんだけど……

「那由太」
「ひ、……ひゃいっ?」
 炎珠さんがお湯の中で手を伸ばし、俺の脇腹をつついてきた。
「緊張しちゃって可愛い。そして肩はツルツル」
「ちょ、炎珠さんっ」
 湯面から出た肩に何度もキスをされ、更にお湯の中で思い切り抱きつかれる。
「わっ……!」
「おっと」
 体重をかけられて倒れた俺を横で支えたのは、一人のんびりとお湯に浸かっていた刹だ。

「挟まれたね、那由太」
「焦らなくても朝まで長いぜ」
「いや、ちょっと密着しすぎ、──んっ!」
 炎珠さんに唇を塞がれ、更に体が硬直した。
 隙間を割って入ってきた舌が俺の舌を絡め取る。触れ合う粘膜同士にミントの香りとお湯の熱さとで、頭がくらくらしてしまいそうだ。
「は、あっ……」
 更に、横から刹の手がお湯の中で俺の下半身に伸びてきた。まだ柔らかいそれをふにふにと揉まれて先端をくすぐられ、焦らすように表面を撫でられる。
「んっ……ん、や……あぁ……」
 炎珠さんと舌を絡めながら腰を捩らせるが、刹の手は離れるどころかますます俺の体に巻き付いてきて──気付けば後ろからぎゅっと抱きしめられる恰好になってしまった。

「はぁ、……那由太、可愛い……」
 濡れた舌を俺の口から抜き、炎珠さんがとろけた顔で微笑む。それを合図にしたかのように刹が俺の体を抱いたまま立ち上がり、背後に壁がある方の浴槽縁へと俺を座らせた。
「ミント効果で体が冷えてるんじゃねえか?」
「た、確かに……すーすーしますけど……あっ」
 内股に入ってきた刹の手が俺の脚を開かせ、緩く反応した股間のそれが二人の前に露出する。熱くて堪らないのにその表面だけは空気に嬲られると冷たくて、恥ずかしさに膝が震えてしまう……。