恋する宇宙の便利屋さん -4-

「る、るいるい……ごめんよぉ……。ボク、喧嘩売られたのかと思って……でも違うって分かって、怖がらせちゃって……ごめんよぉ」
 両手をもじもじさせてナハトが口を尖らせる。
「い、いい、いえ、いいですから」
 るいるいも真っ赤になっている。そんな風に名前を呼ばれたのは恐らく初めてで恥ずかしいのだろう。

「……ゆ、許してくれるの?」
「ええ、ゆ、許し……ますから」
「はううぅ……るいるい天使……イケメン……大好き……」
「へっ……?」
 俺は額に手をあてて溜息をついた。せっかくの「友達から始める作戦」が台無しだ。

「瑠偉くん。ナハト、瑠偉くんのこと大好きになったみたいです! 一目惚れってやつです!」
「え……えぇっ?」
 更にヘルムートのトドメが炸裂し、俺は頭の中で宇宙人達の単純思考を嘆いた。──神よ、彼らの辞書には駆け引きというものがないのでしょうか?

「……相中さん。この通り、ナハトはあんたに惚れてしまったみたいで……。でも決して無理強いはするなとよく言っておくんで、どうか怖がらないでやって欲しいっていうか……」
「えっと、その……。ぼ、僕、今まで誰ともお付き合いとか、したことなくて……」
「関係ないよっ!」
 ナハトが絶叫し、相中さんの手を握った。

「ボクだってセフレはいっぱいいたけど、誰ともちゃんと付き合ったことなんてないよ。一目惚れなんて初めてだもん。でも大好き──瑠偉くんが望むならボク良い子になるし、瑠偉くんが命令するなら何でもしてあげる。例え人混みの中でも瑠偉くんの頼みならフェラでもセックスでもしちゃうし、それに──」
「言い過ぎだ、馬鹿っ!」
「あいてっ」
 ナハトの頭にげんこつを落とし、慌てて相中さんに弁解する。

「す、すいません変なこと言って。でも好きっていうのはどうやら本気みたいなんで、無理に答えを出す必要はないんですけど、頭のどこかで覚えておいてやってくれればそれで……」
 どうして俺がこんなに必死にならなければならないんだろう。

「す、すいません……。僕も混乱してしまって」
「いえ、混乱して当然ですって。……それじゃあ、あんまり気にせず……」
 そそくさと退散しようとしたその時、ヘルムートが俺の前に出て相中さんを見上げ、笑った。

「瑠偉くん、ナハトとてもいい人です。見た目ちょっと変わってますし、ちょっとエッチですけど……中身はとても優しくて純粋で、強い人です」
「ヘルちゃん……」
「おれ、ナハトとお話してナハトが良い人って分かりました。だから瑠偉くんも、ナハトとお話して欲しいです。そしたらきっと、ナハトのこと怖くなくなります!」
「あ、で、でも……」
「瑠偉くんとナハト、お友達から始めましょう!」