BlazingX’mas!!! -4-

「次は竜介さんです! 正直言って、竜介さんのプレゼントは凄く悩んだんですよ! 何といってもブレイズで一番のベテランですからね、ヘタなグッズじゃ満足できないと思って……」
「お、何だ? 期待してしまうな!」
 何をあげても喜んでくれるであろう竜介さんだが、今回は本当に吟味に吟味を重ねたのだ。

「……お、おぉ……」
「これは……」
 箱の中を覗き込んだ皆が驚きの声をあげる。その中で目を輝かせているのは大雅だけだ。

「黒猫スーツです! 竜介さんVでもこういうコスプレしたことないでしょ? でも絶対セクシーでカッコいいんですよ! 合皮の素材が竜介さんの筋肉にぴったりフィットして、体のラインがくっきり出てそれはそれはもう……!」
「あ、ありがとう亜利馬。なるほど、確かに自分じゃ買わないし想像もしてなかったプレゼントだ」
「……ありがとう亜利馬。今度着せて写真撮って送る」
 眠気も吹っ飛んだ様子の大雅が、少し引き攣った笑顔の竜介さんの肩を叩いて言った。

「へへ。じゃあ最後は大雅にプレゼントだよ。俺の大好きな親友の大雅だから、本当に心を込めて選んだんだ」
 先輩をさしおいてか、と潤歩さんが呟いたのを、獅琉さんが「シッ」と制止した。

 大雅の両手に大きなプレゼントボックスを渡す。綺麗にラッピングされてリボンも大きく、包装紙には可愛いトラの絵も描かれている。
「亜利馬……」
「開けてみて、大雅」
「う、うん」
 少しだけ頬を赤くさせて、大雅が青いリボンをほどいて行く。包装紙を剥がして現れた箱の蓋を、そっと開ける――。

「………」
 他のメンバーもゴクリと唾を飲み込みながら、一緒になって箱の中を覗いていた。

「……っ……!」
 しかし中に入っていた物が一目見て何なのかを理解した瞬間、大雅が思い切り箱の蓋を閉めた。
「お、おい何だよ。全然見えなかったぞ大雅、何が入ってたんだっつうの!」
「……亜利馬……」
 閉じた箱に両手を置いたまま、大雅がぷるぷると震えている。その顔は俺の予想した通り真っ赤になっていた。

 大雅へのプレゼントはショップで購入した物じゃない。
 実を言うとこのクリスマス会が決まった日から昨日まで、俺がインヘルの本社ビルを駆け回って集めた物なのだ。もちろん現物を探したりかき集めたりDVDに落としてくれたのはインヘルの各部署の社員の皆さん。俺達の努力の結晶が、その箱には詰まっている。

「な、何だったの大雅?」
「教えろよ大雅」
「………」

 大雅へのプレゼント。
 それは、ファンの間では幻と言われているデビュー前のインディーズ時代に撮影した竜介さんのインタビュー動画に本番動画、リリースされているDVDには収められていないオフショットやNGシーン、雑誌や写真集には載っていない画像集、その他諸々「今では手に入らない竜介さん詰め合わせ」だ。

「あ、あ……ありがと……」
 真っ赤になってきゅっと目を瞑った大雅が、振り絞るような声でお礼の言葉を言ってくれた。大雅の表情でプレゼントの中身が「竜介さん絡みの物」だと分かってくれたのだろう、獅琉さんと潤歩さんが納得したように笑って大雅の頭を撫でていた。