BlazingX’mas!!! -2-

「……亜利馬、そんな小さい頃から有栖に弄ばれてたの……」
 大雅が呆れたように、だけど心から同情したように呟いた。
「でも有栖もその後で謝ってくれて、粘土で作った、その……リアルなアレをプレゼントしてくれたんだよ。あの頃の俺は大笑いして『ちんこだー!』って大喜びしてたけど……」
「わはは。当時からそういう才能があったんだな」
「そうなんです竜介さん。俺もやっぱり有栖のこと凄く好きだったから、何度痛い目に遭ってもくっ付いて回ってましたよ」

 幼い頃の思い出に浸って笑っていると、獅琉さんが俺の頭をちょこちょこと触って言った。
「微笑ましい話も好きだけど、今日はそれだけじゃないでしょ?」
「……あ、う……」
 そうなのだ。今日はクリスマス。二十四日の夜から竜介さんの家でパーティーをして、日付が変わり今は二十五日の午前零時。
 ブレイズの皆で集まって、ケーキもチキンもデザートやその他のご馳走をお腹いっぱい食べて、楽しいお喋りをして、ゲームで遊んで、……
「亜利馬、早くプレゼントちょうだい!」
「そうだぜ。早く寄越せよてめえ、勿体ぶんな」

 クリスマスといえばプレゼント。ブレイズメンバーにクリスチャンは今の所いないので、救世主の誕生よりもサンタのプレゼントに意識が向いてしまうのは仕方がないともいえる。

 だけど、だけど。

「……なっ、なんで俺だけがサンタなんですかぁっ!」
 絶叫する俺は、屋外なら強制わいせつ罪で即逮捕されるレベルの珍妙な恰好をしていた。

 真っ赤なサンタ帽。ふわふわファーのチョーカー。乳首丸出しデザインのコルセットのような形状のやつ。裾にファーが付いた半ケツ必須のショートパンツ。室内用ブーツ。

「だって亜利馬が『サンタやりたい』って言ったんじゃない。俺らにいつもお世話になってるから、プレゼント用意するって……」
 獅琉さんが困ったように笑って、ワインのグラスに口を付けた。
「た、確かに言いましたけど……でも衣装は自分で用意するって言いましたよねっ? 何でこんな恰好する必要があるんですか!」
「……でも、いつもよりはマシな方」
 憤る俺を見上げて、大雅がぼそりと呟く。思わず「う」と言葉に詰まった自分が情けなかった。
 ……そう、いつもよりはマシなのだ。「ノーパンスカート」じゃないだけ喜ぶべきなのかもしれない。

「でも乳首出てるし……」
「いいじゃないか、男なんだから。似合っているぞ亜利馬、わっはっはっは!」
 いつも明るい竜介さんだが、酒が入っているせいか笑い上戸に拍車がかかっている。さっきから大雅の肩を抱いて上機嫌だ。普段頼れる兄貴が酔っ払っているという、俺にとっては絶望的な状況だった。

「ま、まあ一応プレゼントは用意したんです。完全に独断と偏見で選んだ物ですけど……」
 言いながら大きな白い袋を引っ張ってきて、中に詰まったプレゼントボックスを覗く。皆にリクエストをもらって用意するんじゃ面白くないということで、先日の休日にわざわざ一日使って買いに行ったのだ。