HAPPY DAY -8-

「んん、ぁ……」
「は、……」
 ゆっくりと俺の口から舌を抜いて、潤歩が囁く。
「俺もだ」
 その顔はかつてないほど赤くなっていた。
「俺も大好きだ、亜利馬」
「あ──」
 キスよりもセックスよりも、「大好き」の一言が照れ臭くて。勇気を振り絞って言ってくれた潤歩の気持ちが、心の奥底まで染み渡って行く。
「も、もう一回お願いします」
「嫌だ」
「あと一回だけ。お願い……」
「うる、っせえ……!」
「ひゃっ、……!」
 引き抜かれた潤歩のそれが再び奥まで挿入され、あっという間に「大好き」どころじゃなくなってしまう。

「あっ、……ん、あぁっ……うるふ、さん……!」
「やっべぇぐらい締まる」
「大好き、って……嬉し、から……あぁっ!」
 汗ばんだ肌と肌が触れ合い、視線が絡み合う。一つになって気持ちを伝え合って……仕事じゃないセックスって、幸せだ。
「……今更だけど、ゴムしてねえ」
「ん、……いい、潤歩さん……中で……。今日だけ……」
「後で文句言うなよ」
「ああぁっ……!」
 中で熱が増したと思った瞬間、潤歩が俺を強く抱きしめて荒い息を吐き出した。
「俺も、……!」
 後を追うように俺も体を痙攣させる。前への刺激がなくても射精できるようになったのは、もちろん仕事の影響もあるけれど……多分、潤歩との相性が良いお陰なんだろうなと思う。

「はぁ、あ……」
 呼吸を整えながら抱き合い、射精後にやってくる気だるさにうっとりと意識をとろけさせる。
 何も考えられなくなるこの瞬間は、ある意味で一番潤歩が素直になる時でもあった。
「はぁ……愛してるぜ亜利馬」
 ほら。
「……俺も愛してます、潤歩さん。……潤歩さんっ?」
 俺の上に被さったまま、潤歩が寝息をたて始める。ビクともしない筋肉質な体を抱きしめながら、俺は小さく溜息をついた。
「……困った」

 ハッピーバースデー。おめでとう。
 ハッピーバレンタイン。……大好き。
「うるせえぞ亜利馬ぁ……」
「寝言言ってる」
 愛しい恋人の背中を撫でて、俺は幸せを噛みしめるように微笑む。
 テーブルの上でも、チョコレートになったブレイズの皆がニコニコと笑っていた。

 HAPPY DAY・終