亜利馬、正真正銘己との闘い -7-

 アリマのボディに霧吹きで疑似汗が施され、アヌスの部分にローションが注入される。そこで初めて気付いたのだけれど、アリマの「そこ」にはアナルホールが装着されていた。挿入すればよりリアルなセックスを体感できるということだ。
 色々考えるモンなんだなぁと思った瞬間、思わず苦笑してしまった。アダルト業界も一般企業も、良い物を産み出したくて考えるという点では皆同じだ。AVだって奇抜で斬新でニッチな企画が沢山ある。……現に今回のコレもそうだし。

「亜利馬くん、準備大丈夫?」
「はい!」
 スタッフさんにタオルを返して、ベッドの上に膝をつく。両腕を投げ出し脚を開いているアリマを目の前にすると、何だかこれから強姦するみたいで気が引けるけれど……きっと有栖が上手く声をあてて雰囲気を出してくれるだろう。
「それじゃあ挿入から射精まで行きます。カメラ回りました」
「スタート」
 手のひらに落としたローションを自分のペニスに塗り付ける。ちゃんと勃ってくれるか不安だったものの、単純な俺の体はちょっとの刺激ですぐに反応してくれた。
「挿れるよ」
 アリマの体に覆い被さって囁くと、「うん」という小さな可愛らしい声が返ってきた。

 先端をホールの入り口にあてて、アリマの体を支えながら少しずつ腰に力を込めてゆく。ぬるりとした感覚と共に、まるで吸い込まれるように俺のペニスが呑まれていった。
「あっ、う……」
 いつもの癖で、つい出てしまった声。唇を噛んで声を我慢し腰を進めると、アリマが小さく笑って俺に言った。
「そのまま、奥まで挿れて……」
「う、ん……。あっ、……」
「声我慢しないで。亜利馬の可愛い声、聞かせて」
「で、でも、ぉ……」
 タチは声を出さないものという先入観があるせいで、なかなかアリマの要望に応えられない。それでもペニスに感じる慣れない刺激が強烈過ぎて、声を完璧に我慢することもできない。

「亜利馬の、すっごく硬いのが俺の中に入ってきてるよ……」
「あぁ、あ、……う……ん」
「ちゃんと気持ちいいから……亜利馬、好きなようにして……。大丈夫だよ亜利馬」
 しっとりとした有栖の声を耳に感じながら、俺は強く目をつぶってアリマの中に腰を入れた。
 先端から根元までを隙間なく包み込まれる。想像以上に熱くてキツくて、竜介達と試した時とは全然違う。中で色々なものが俺のペニスに絡み付いているみたいだ。
「ふ、あぁ……気持ちいい、……!」
「俺もっ、あぁ、あ……気持ちいいよ亜利馬っ……」
 フェラチオとはまた違う最高の快感に、腰が止まらない。
「あぁっ……あ、う……何これ、……とろけそ、……あっ、あぁ……!」
「もっとして亜利馬、すごい、……やめないでっ……あぁんっ」
 硬くなった俺のそれがアリマの穴を出入りしている。腰を打ち付けるたびにアリマの体が揺れ、同時に屹立した人工のペニスも一緒に揺れる。奥まで貫くとアリマが声を張り上げて鳴いた。
 これがタチ側から見るセックス──

「あ、あっ」
 気持ち良くて、もう今にもイきそうだ。
 だけど。
「ん、あぁっ、中で出すよっ……!」
「出して、亜利馬。俺の中でいっぱい出して──ああぁっ」
 だけど、ちょっとだけ……お尻が寂しい。