ブレイズ、みんなで竜介をお祝いする -6-

「よう! 待たせたな、電車が遅れて──」
「竜介、四周年おめでとう!」
 ドアが開いた瞬間、俺達はクラッカーで竜介を出迎えた。
「えっ、な、何だよ? 今日ってただのミーティング兼飲み会なんじゃないのか?」
「そんなことにラブホなんて使うわけねえだろ! どこまで鈍いんだ、竜介ちゃんよう!」
 潤歩が竜介の肩を抱き、ニヤつきながらほっぺたを抓る。
「い、痛いぞ潤歩!」
「今日はさ、ブレイズみんなで竜介のデビュー四周年をお祝いしようと思ってたんだ。料理も酒も沢山あるから、乾杯しよう!」
「獅琉!」
「竜介さん、早く早く! 腹減ったでしょ!」
「亜利馬っ?」
 玄関から部屋に入った竜介が目を丸くさせている。
「……おめでとう、竜介」
「大雅……」

 イエーイとか言いながらもう一、二発クラッカーを鳴らそうとした俺達は、……部屋の中央で立ち尽くす竜介を見て茫然と沈黙した。
「りゅ、竜介さん……」
「………」
 竜介が両手で顔を覆っていたからだ。
「………」
「あ、……」
 泣いてる。あの竜介が。いつだって笑ってばかりいる、笑い上戸の竜介が。
「て、てめえ泣いてんじゃねえぞ! しんみりするだろうが!」
 慌てた潤歩が竜介の肩を叩き、その横で獅琉も「いやあ、感動してもらって嬉しいなぁ!」と汗を飛ばしながら笑っている。
「た、大雅」
 まさか竜介が泣くと思っていなくて、俺はあたふたして大雅に顔を向けた。

「……竜介」
 大雅が竜介の前に進み出て、ゆっくりと顔を覆う竜介の手を引き剥がす。
「泣いてるとこ、見たい。……レア」
「そ、そっち?」
 思わず噴き出してしまった俺を見て、潤歩と獅琉も同時に噴き出した。
「確かにレアだわな! よく見とけよ大雅!」
「あはは! 何なら写真撮っておいてもいいかもね。良い思い出!」
 笑う俺達に釣られて、竜介が目元を拭いながらようやくニッと歯を見せてくれた。

「悪い悪い、少し驚いてしまっただけだ! それから、お前達の気持ちが嬉しくてな!」
「竜介さん……」
「ありがとうな、大雅。もちろん皆もだ。最高の仲間達だよ、俺は本当に恵まれてる」
「……もう笑ってる。まだ写真撮ってないのに」
「はっはっは、すまんな大雅!」
 いつも通りの豪快な笑い方。
 俺達はまだ何もしていないのに立ったまま大笑いして、それからようやく予定通りシャンパンで乾杯をした。