亜利馬&潤歩、inワンダーランド -8-

『ありまのワンダーホール☆』──中に棲んでる小っこい亜利馬くん達が、挿入の度に貴方のペニスを全身でごしごししてくれます☆貴方だけの形にぴったりフィット、挿れる度に何が起こるか分からない! 魅惑のバイブレーション機能付き!

「……亜利馬のお尻はどこに繋がってるのかな?」
 獅琉がパッケージの箱を見て苦笑している。ブレイズ五人に送られてきたアナルホールの箱には俺のイラストが描かれていて、見た目だけで言えばやっぱりカラフルで可愛らしい。
「それにしても、亜利馬の従兄とは驚いたな! 俺も会ってみたかったぞ!」
「竜介。あいつと会う機会があったら、お前の想像している五百倍は亜利馬より腹黒いと思っとけ。見た目に騙されるな」
 会議室で弁当を食べていると、テーブルの上で俺のスマホが振動した。
『亜利馬、先日はお手伝いありがとう~。サイトの通販でも爆売れしてるよ! 潤歩さんとブレイズの皆さん、特に獅琉様によろしくね!』
 有栖の満面の笑みが頭に思い浮かぶ。卵焼きを味わいながらスマホを閉じて、俺は傍らに置かれた自分のオナホールを苦々しい思いで見つめた。

 隣でメロンパンを齧っていた大雅が、いつもの抑揚のない声で俺に言う。
「……亜利馬の中は確かに、挿れる度に違う感じする」
「ええっ、大雅まで何言ってんのさ?」
「演じる役で違う。ビッチ役の時は搾り取られる感じがするし、大人しい役の時は処女みたいに締まって挿れづらい」
「ほ、本当? それって俺がちゃんと演じ分けできてるっていう、……」
「違げえよ」
 突然、俺と大雅の間に割って入ってきた潤歩が俺の弁当箱からかまぼこを摘まんで言った。
「スイッチが入ると体ん中まで変えちまう、カメレオンタイプってこと。獅琉と違うのは、それが演技でも何でもねえ、マジモンのエロスイッチってことだな」
「カメレオンは体の中も変えるんですか~」
「屁理屈を言うんじゃねえ。実際始まると頭ん中すぐブッ飛ぶくせに」
 更にミートボールも奪い、ついでにお茶を飲んでから潤歩がケラケラと笑った。安定の意地悪さだ。

「でもそれは悪いことじゃないよね」
 言いながら獅琉がオナホールの箱を開け、中を取り出す。
「AVファンはリアルなものを求めてるんだから、亜利馬の演技を越えたセックスが人気出るのって、そういうことじゃん」
「それは亜利馬だけじゃないと思うけどな?」
 獅琉にホールの入り口を向けられた竜介が、そこに指を突っ込みながら言った。
「ああ、獅琉の中もこんな感じだ。大雅はもう少し締め付けが強いかもしれない」
「……竜介、怒るよ」
「悪い、悪い」
 竜介は笑っているが、大雅の顔は真っ赤だ。この二人も安定の無自覚カップル。獅琉は相変わらず楽観的で楽しいこと大好きお兄さんだし、俺はまた一つカメレオンというよく分からないキャラを付けられている。

「亜利馬のオナホ、今日早速試そうっと」
「いいな、俺も使ったら使用感をメールするぞ」
「……じゃあ俺も使ってみる。ちょっと楽しみ」
「そんじゃあ四人で一斉に試して、一番早くイッた奴が亜利馬以下の早漏だな!」
 好き勝手に言い合うメンバーを尻目に、一口お茶を飲む。

 ──愛されてるね、亜利馬。

「………」
 別れ際に有栖が囁いた台詞を思い出し、俺は力なく笑って残り一つになってしまったミートボールを口に入れた。