BlazingX’mas!!!

 無宗教なんて珍しいねえ、と日本は他国から思われることがあるという。
 法事などを寺でやって、初詣に神社に行って、クリスマスをお祝いして……と、確かに何に対して信仰心を持っているのかと突っ込まれるのも無理はない。
 かくいう俺も、子供の頃は「クリスマスといえばケーキとプレゼント」というイメージしか持っていなかった。二十四日の夜にわくわくしながら布団に入って、翌朝まだ空が明るくなる前、枕元にリボン付きの箱が置かれていた時の興奮は今でも忘れられない。

「一番嬉しかったのはやっぱり、ゲーム機だったかなぁ。小学校の頃の」
 場所は竜介さんちのリビング。テーブルに頬杖をついて思い出に浸っていると、お茶を飲んでいた獅琉さんがニコニコしながら言った。
「亜利馬のパパママは優しいね。俺んちはそういうのなかったよ。両親とも超リアリストだったから、プレゼントはくれてもサンタシステムは無かったんだ」
 スナック菓子を頬張りながら、潤歩さんが馬鹿にしたように言う。
「どうせ亜利馬はアホだから、高校生くらいまでサンタの存在を信じてたんじゃねえの」
「そ、そんな訳ないじゃないですか……。ちゃんと小学三年くらいの時には理解してましたよ」
「よく分からないんだけど、やっぱりそういうのって友達との情報交換で気付くものなの? サンタの正体は親だって」

 どうだっただろう。俺がサンタの正体を知ったのは確か小学三年の冬、……ああそうだ。思い出した。

「ふう……コタツあったかいねえ、ありま」
「うん! ねえねえありす、ありすはサンタさんに何もらうの?」
「ふう……サンタさんなんていないよ」
「え? で、でもクリスマスの朝にいつも、プレゼント置いてあるよ?」
「それはありまのパパとママだよ」
「………」
「ありま、ミカン持ってきてね。あとジュース」

 そ、そうだ。確かこんな感じで、従弟の有栖の一言で全てを理解させられてしまったんだ。
 その後は泣きながら父ちゃんに「サンタさんなんていないんじゃないかぁ!」と叫んだが、父ちゃんは一升瓶を抱えながら「そうやって世の中のことわりを理解し、大人になって行くのさ」と言っただけだった。
 その年のクリスマスは荒れたが、流石に哀れに思ったのか、母ちゃんは特別に二つプレゼントを買ってくれた。